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Design and Analysis of Experiments, 9th Edition
第3章 一因子実験:分散分析
分散分析を解説している特大ボリュームセクションの後半戦。
前半で解説した固定効果モデルについて
サンプルサイズの決定方法と解析の実例が紹介されています。
3.9以降はかなりハイレベルな内容で、
ランダム効果モデル・分散分析の回帰モデル構築、
ノンパラメトリック手法に言及されており
他の本ではなかなか解説されていない内容です。
新鮮でおもしろい内容でしたが
レベルが高くなかなか理解が難しい側面も…
例示も少ないため、それぞれの手法について詳しく知りたい場合は
他の書籍の参照が必要かと思います。
以下、内容の要約です。
3.7 サンプルサイズの決め方
分散分析のサンプルサイズの決定方法を2種類解説
詳細は「サンプルサイズの決め方」を一読すべし
- 検出力曲線を用いる方法
- 信頼区間推定法
3.8 一因子実験のその他の例
3つの実例に対して分散分析を適用した例を紹介
3つ目の例では平均値だけでなく標準偏差の変化に着目した解析を行っている
どの例においてもモデルの妥当性検証を行っており
筆者が大切にしているポイントであることが強調されている
3.9 ランダム効果モデル
これまでのセクションで説明していた固定効果モデルは
因子の水準は実験者が恣意的に決定していた。
ランダム効果モデルでは水準もランダムに選択することで
選択されていない水準も含めた因子全体を推定できる利点がある。
分散分析の方法は固定効果モデルと同様だが
統計量の推定方法が異なり、その点を詳しく解説している。
3.10 分散分析への回帰アプローチ
分散分析結果から回帰モデルを推定する方法に関して。
例示がなく数式のみの説明なのでわかりにくい…
3.11 分散分析におけるノンパラメトリック法
ノンパラメトリック検定としてKurskal-Wallis検定を紹介
本手法のように量的データを順位データに変換する手法は
正規性が仮定できない場合や
外れ値の存在が懸念される際は本手法の様なランク変換が有効
筆者はこの様な場合は通常の分散分析とランク変換の同時実施を
推奨しており、結果が異なる場合はランク変換の結果を優先し
正規性や外れ値を確認すべきことを指摘している。